第11回はんが甲子園予選審査会総評


11回目となる今回は、スタッフ方々も何人かが入れ替わって、「もう一度初心に戻って第1回のつもりで頑張りたい。」とのことです。

昨年は、18都道府県、37校385作品、団体76チーム、個人157点、今年は17都道府県、30校413作品、団体92チーム、個人137点でした。

作品全体を見ました時、作品の数は28点多いのですが、作品全体にムラがなく一つ一つの作品がとても充実している感じがいたしました。それぞれの作品の内に、生徒、1人ひとりが表現すべき思いや感動が入っているものが多かったです。

審査はまず、3月に行われる団体戦14チームを選ぶ事にいたしました。全92チームの中から、3人一組のそれぞれの版画制作の協力度や、感性を判断させていただきました。前回に比べ版種の中で、木版、銅板にシルクスクリーンの作品があり、表現力にも幅が出てきたように思いました。良いチーム14校が選ばれたと思っております。

その後、個人賞を選ぶ事になりました。団体戦出場14校以外の中から個人賞が選ばれる事になります。先ほどの、制作協力度とは違う観点で見させていただきました。まず、如何に自分の感じた思いを版画で表現できているか。そして、その人の個性的なモノを出しているかを基準に見て行きました。今回の個人賞7名は、それぞれがとても面白い表現をしていると思います。

例えば、新潟日報賞の四関梓さんの木版作品は、表現力がとても豊富で、作品の構図もとても良い作品でした。又、BSN新潟放送局賞の関矢南さんの作品は、銅版画のドライポイントの技術を、とても良く理解し、表現力を駆使して制作された作品です。そして、佐渡テレビ賞の伊豆蔵和喜さんの銅版画作品は、今までの個人賞にはない作品で、まるで銅版画のプロが制作した作品のようでした。

とかく、現代の表現は、コンピューター的、バーチャルな表現が多いのですが、今回の予選作品を見せていただいて、自分自身で感じ、自分の表現をしようと思う作品を多く見る事ができました。

3月に行われる本戦においては、どうぞ高校生の今の思いを表現の中にぶつけてください。本戦に出場されない皆様も、佐渡島でどんな作品が出来あがるのか?楽しみながら応援してください。

審査委員長 河内 成幸

2011年1月17日