第14回全国高等学校版画選手権大会
予選結果/個人賞発表 2014年
第14回大会初戦審査会を平成26年1月10日(金)に開催しました。結果は以下のとおりです。団体部門 選抜校は3月18日から新潟県佐渡市で開催する本戦大会への出場資格を得ました。
13道府県から25校の応募がありました。
●作品数:229点 ●団体応募:49組 ●個人応募:82人
総評
予選の会場で沢山の版画作品を目にして、若い人の創作のエネルギーを感じ、大変頼もしい思いを抱きました。それは高校の美術教育に版画の制作を取り入れ、指導をされている先生方のご努力の成果です。今回指導にあたられた先生方と、版画を制作し参加してくれた高校生諸君とに、改めて敬意を表したいと思います。
予選に登場した版画作品は、高校ごとにそれぞれの特色が見られましたが、作品の傾向として気付いたことは、黒い染紙に不透明な絵の具で摺る、陰刻法と呼ぶ木版の一版多色の技法が多いことでした。版を作ることが比較的易しく、自由に絵画的な表現ができるので、親しみ易い技法ですが、この技法でレベルの高い作品を創るには、しっかりとした版を創る意識が必要です。自由な摺りに頼ってしまうと版画としての魅力が薄らいでしまいます。
心残りなのは木版以外の版種作品を多く採れなかったことです。他の版種、銅版やシルクスクリーン等、実際に指導するとなると、いろいろと困難があろうかと思いますが、もっと制作されるようになることを願っています。
今回の選考ではその作品の内容を含めて、版による表現が強く感じられる作品を高く評価しました。版画は直接絵を描くのとは違い、版という不自由さや困難を伴うものを通して表現します。しかし真摯に版に向き合えば、版は思いがけない力をくれます。そのことに面白さを感じることが出来れば、版画を制作する上で、その力を飛躍させる原動力になると思います。
予選の前日から佐渡は雪になりました。晴れ渡った佐渡の風景も美しいですが、海からの風に雪が舞い、次々と白波が打ち寄せる荒々しさも、また心にしみて美しい。予選を突破した高校生諸君が、この決勝の場で、何を見て、どんな人に出会い、何に心を動かされ、何を表現するか、今から楽しみです。佐渡には決勝の場に相応しい多くのものが用意されていると思います。
審査委員長 磯見輝夫
団体部門:本戦出場校
学校名 | 都道府県 | 出場回数 |
青森県立弘前実業高等学校 | 青森県 | 5 |
岩手県立盛岡第一高等学校 | 岩手県 | 4 |
盈進学園東野高等学校 | 埼玉県 | 2 |
埼玉県立熊谷女子高等学校 | 埼玉県 | 3 |
埼玉県立熊谷西高等学校 | 埼玉県 | 初 |
神奈川県立弥栄高等学校 | 神奈川県 | 3 |
新潟県立佐渡中等教育学校 | 新潟県 | 2 |
福井県立藤島高等学校 | 福井県 | 2 |
静岡県立伊東高等学校城ヶ崎分校 | 静岡県 | 8 |
静岡県立浜松江之島高等学校 | 静岡県 | 6 |
大阪市立工芸高等学校 | 大阪府 | 4 |
大阪信愛女学院高等学校 | 大阪府 | 11 |
島根県立益田高等学校 | 島根県 | 2 |
高知県立大方高等学校 | 高知県 | 初 |
賞名 | 学校名 | 氏名 | 学年 |
新潟日報社賞 | 大阪信愛女学院高等学校 | 山下 來花 | 3年 |
NHK新潟放送局賞 |
静岡県立伊東高等学校 城ヶ崎分校 |
飯田 すみれ | 3年 |
BSN新潟放送賞 | 岩手県立盛岡第一高等学校 | 坂尾 南帆 | 2年 |
NST賞 | 新潟県立豊栄高等学校 | 松本 幸穂 | 3年 |
TeNYテレビ新潟賞 | 新潟県立佐渡中等教育学校 | 氏田 陽子 | 4年 |
UX新潟テレビ21賞 | 埼玉県立熊谷西高等学校 | 持田 美文 | 1年 |
サドテレビ賞 | 新潟県立豊栄高等学校 | 小田島 悠 | 1年 |
新潟日報社賞 | 千葉黎明高等学校 | 四関(しせき) 梓(あずさ) | 3 | 女 |
NHK新潟放送局賞 | 新潟県立加茂高等学校 | 小林(こばやし) 詩織(しおり) | 1 | 女 |
BSN新潟放送賞 | 岩手県立盛岡第一高等学校 | 関矢(せきや) 南(みなみ) | 1 | 女 |
NST新潟総合テレビ賞 | 広島県立福山葦陽高等学校 | 宮田(みやた) 功瑛(のりあき) | 1 | 男 |
Tenyテレビ新潟賞 | 千葉黎明高等学校 | 川﨑(かわさき) 拓弥(ゆうや) | 1 | 男 |
UX新潟テレビ21賞 | 佐賀県立鳥栖工業高等学校 | 向井(むかい) 拓美(たくみ) | 2 | 男 |
佐渡テレビ賞 | 福井県立藤島高等学校 | 伊豆(いず)蔵(くら) 和(かず)貴(き) | 2 | 男 |