第9回全国高等学校版画選手権大会
本戦結果 2009年
審査総評
第9回全国高等学校版画選手権大会も無事終了し、熱気に溢れる本戦も3月23日を持って終りました。3日間の夜を徹する制作のエネルギーは、参加者全員に伝る物でした。
予選では、全国18道府県32校、378点の応募があり、その中から選ばれた14校はさすがにチームワークと、制作工程に優れたチームだと思いました。
今回のテーマは「佐渡の風景と歴史」、前回の「美しい佐渡と人間」より具体的なもので、表現しやすいテーマです。前回の「現場での生身で触れた感動をそのまま作品化する。」との目的においては制作がしやすかったのではないかと思います。
今回の14校の作品を見た時に、まず最初に感じた事は、どこか8回までの作品を参考にしたり、又は、佐渡の観光案内に影響された作品が多く見られた事です。
もっと佐渡の自然に触れ、佐渡の文化や歴史を感じ制作された物があっても良いのではないかと思いました。そんな中、今回の文部科学大臣賞、島根県立出雲商業高等学校「時の贈りもの」は、独自性を持ったすばらしい作品だと思いました。現代社会の情報は、とかくバァーチャル化され、デザイン化されております。もっと自然を観てすなおに感動し表現できたらと願っております。
人間の表現は、それぞれの心の中に生まれた感動を、あらゆる技術を使って手で作ると言う行為ではないでしょうか。日本の言葉は、発音だけではなかなか難しい物があり又、多くの意味を持っております。例えば、「そうぞう」と言う言葉です。漢字で書きますと「想像」、「創造」です。「想像」を英語にするとイメージです。「創造」は、クリェーティブです。イメージで物を表現しょうと思えば、バァーチャル化やデザイン化しざるをえません。クリエーティブとは、問題点や難問を解決しながら、前向きに物を造って行く事なのです。
まさに「はんが甲子園」がそんな場なのです。地球の自然の美しさに感動し人々が表現して行ければこんな幸福な事はありません。
文部科学大臣賞
中小企業庁長官賞
「トキの鐘 佐渡に響け」 広島市立安佐北高等学校 |
【審査員評】 佐渡の代表的な風物を巧みに組み合わせ、大胆で躍動的な構図に圧倒されます。 希望に満ちた鐘の音が響いてくる様です。下絵を作る段階でかなりの試行錯誤があったのではないでしょか。構成力がすばらしいと思います。技術的にも暖色から寒色へのグラデーションが美しく、ダイナミックな構図をいっそう盛り上げています。計画的に制作された秀作だと思います。 |
新潟県知事賞
佐渡市長賞
佐渡版画村賞
審査員奨励賞
「先人からの贈り物」 北海道札幌新川高等学校 |
「初夏のかおり」 新潟県立相川高等学校 |
「佐渡オールスターズ」 千葉黎明高等学校 |
「歴史の鎚音」 静岡県立伊東高等学校 城ヶ崎分校 |
「佐渡に咲く朱鷺の舞い道遊の華」 大阪信愛女学院高等学校 |
「城門突破のトキ、日蓮佐渡に渡る」 大阪市立第二工芸高等学校 |
「未来につなぐ佐渡の道」 島根県立大社高等学校 |
高知学芸高等学校 「先人たちの遺産」 |
「佐渡詰め合わせ」 佐賀県立鳥栖高等学校 |