カテゴリー「第17回大会」の一覧
本戦大会への出場が決まっていた盈進学園東野高等学校が辞退したため、岩手県立平舘高等学校が繰り上がりで出場します。
第17回全国高等学校版画選手権大会
予選総評 2017年
初戦が終わり代表校が決まりました。審査をしてまず感じたことは、今回の応募作品が従来の木版画に加えて他の版種、ドライポイントなどが多くなったことです。版の種類が多くなることはそれだけ版画としての表現の巾が広がることになります。そして木版以外の版種の技術がとても高くなったことを実感しました。特に多くのチームを送りだしてきた高校のレベルの高さに驚きました。作品の大きさを含めて力のこもった作品が多くありました。ただ、一校に一チームしか出場できませんから、力があっても選ばれないチームには残念な結果になりました。
そうしたなかで個人賞を選ぶのは大変難しい作業です。なるべく様々な視点から選んだつもりですが、選べなかったもののなかに、完成度は高くなくても興味を引く作品があったことを記しておきます。それから若干の危惧を感じるのは、高校生が日頃接しているゲームなどの絵からの影響です。ゲームで使われる絵はゲームの作者の絵です。それが進むと作品から作者を感じることができなくなります。
初戦を通過し本戦に出場することになったチームの皆さんおめでとうございます。今度は個人での制作ではなくチームでの共同作業になります。共同で行う制作には、個人とは違った難しさがあると思いますが、また別の楽しさ面白さもあると思います。まず佐渡に渡り皆さんが出会う佐渡の自然や町、そしてそこに暮らす佐渡の方達から、何を感じ表現したいと思うかです。それが最後まで制作の核になりますから、取材をしっかりとして、制作の方向を組み立ててください。高校生の皆さんが見つけたもの感じたことからどんな作品が生まれるか、期待し楽しみにしています。
審査委員長 磯見 輝夫
第17回全国高等学校版画選手権大会
本戦選抜校の作品 2017年
カッコ内は選抜回数
北海道札幌平岸高等学校(7) | ||
1年 伊藤 真生 | 1年 川口 彩華 | 1年 松本 七海 |
青森県立弘前実業高等学校(8) | ||
1年 尾﨑 美月 | 1年 鶴ケ谷 朱梨 | 1年 齋藤 栞菜 |
岩手県立盛岡第一高等学校(7) | ||
2年 佐々木 雄大 | 2年 松平 彩香 | 1年 中嶋 香朱美 |
盈進学園東野高等学校(5) 出場辞退 | ||
2年 大貫 由加里 | 2年 大野 丈司 | 2年 山﨑 裕介 |
埼玉県立熊谷西高等学校(4) | ||
2年 工藤 由依菜 | 2年 佐藤 弘樹 | 1年 内田 千聖 |
埼玉県立熊谷女子高等学校(5) | ||
1年 新井 若菜 | 1年 小野 かれん | 1年 竹内 希実 |
新潟県立佐渡高等学校(4) | ||
2年 本間 姫香 | 2年 寺尾 真優 | 1年 清水 大樹 |
新潟県立佐渡中等教育学校(5) | ||
4年 井藤 友紀 | 4年 木下 結衣 | 4年 佐々木 愛梨香 |
福井県立丹南高等学校(3) | ||
1年 清佐 歩未 | 2年 鈴木 詩織 | 2年 平田 美鈴 |
静岡県立伊東高等学校城ヶ崎分校(11) | ||
2年 青山 今日子 | 2年 野崎 郁美 | 2年 水越 真子 |
東海大学付属静岡翔洋高等学校(11) | ||
2年 古松 萌加 | 2年 鈴木 維円 | 1年 門倉 由奈 |
京都精華学園高等学校(初) | ||
3年 石田 花鈴 | 3年 藤井 七海 | 3年 山本 杏 |
広島市立沼田高等学校(3) | ||
2年 橋本 蓮 | 2年 富田 菜月 | 2年 堺 喜久佳 |
佐賀県立神埼清明高等学校(2) | ||
1年 岡 竜 | 1年 井上 勝喜 | 1年 元嶋 工惟 |
岩手県立平舘高等学校(2) 繰上出場 | ||
2年 髙橋 黎 | 2年 遠藤 大輔 | 1年 吉田 優愛 |
第17回全国高等学校版画選手権大会
個人部門入賞作品 2017年
新潟日報社賞 |
ドライポイントでしょうか、大きな画面に的確な描写力で鶏をモチーフに描いていますが、そこに加えられた植物等のイメージが違和感なく鶏の一部をなしている構成力に感心しました。堂々と最後まで描ききった完成度の高い作品だと思います。鶏の頭上にある肋骨のような骨が、なぜ頭上にかぶっているのか話を聞いてみたいと思いました。 |
NHK新潟放送局賞 |
広島市立沼田高等学校 |
工場のような建物群が沢山の煙突から煙を出している。重いブルーの色彩で刷られた画面から、暗く不気味な世界が強く伝わってきます。作者が感じる文明社会への不安が描写の力量と相まって、迫力を持って伝わる作品です。版画はこれまでにも多くの社会的な主題を表現してきましたが、この作品からも作者の強い思いを感じます。 |
BSN新潟放送賞 |
岩手県立盛岡第一高等学校 |
自分の好きな物、日常使っているもの、また憧れるもの等、自分の身の回りにあるものを的確に再構成して創られた私の世界でしょう。少ない色彩で刷られていますが、その淡い色彩の変化が、穏やかで美しい版画の風景を作り出しています。劇的なものはありませんが、自然に受け取ることができる、大変魅力的な作品になりました。 |
NST賞 |
静岡県立伊東高等学校城ヶ崎分校 |
木版の作品ですが、この作品の特徴は大胆な色版の組み合わせで多色版画を構成しているところです。見開いた本かノートを作品のモチーフとした発想にまず感心しました。それを説明的に版にするのではなく、色版に分解して色面の重ね合わせで表現しています。多色版画について良く分かっていなければ出来ない作品です。 |
TeNYテレビ新潟賞 |
東海大学付属静岡翔洋高等学校 |
比較的大きな力のこもった力作です。全体に少し硬い感じもありますが作品の主題に向かってしっかりと描いています。「繊細」という題名からは、傷つきやすい、また傷つけやすい若い人の心理や状況を描いていることが分かります。高校生の版画の主題がこうした人間の内面に向かうことに強い印象を受けました。 |
UX新潟テレビ21賞 |
埼玉県立熊谷西高等学校 |
多色木版による海の情景ですが、清々しい色彩の美しい作品です。多色版画は版をどのように色分けするかが重要ですが、その版の組み合わせも的確です。型にはまらない自由でのびのびとした色版によって、海の広々した空間と澄んだ空気を感じさせる好ましい佳作だと思いました。 |
サドテレビ賞 |
早稲田大学系属早稲田実業学校 |
「海への旅」と題されたこの作品は小さい作品ですが、手抜きせず丁寧に版を作り丁寧に刷られた、木版の良さを十分に感じさせる作品です。こつこつと版を彫る、その作業する手は版画にとってとても大切な要素です。版画を見る人はその作品のなかに、その作者の手を感じ、作者自身を感じて作品を見るのです。 |
ベストライフ賞 |
島根県立大田高等学校 |
ドライポイントによる小品ですが、壊れかけたビルが海に沈んでいます。題名もそのまま「海に沈む」です。深刻な状況なのに画面からはほのぼのとした明るさを感じます。このギャップは何なのか作者に訊ねたいところです。海の中に点在するほんのりと明るい光など、作品の持つ温かさは作者の人柄から生まれるのでしょうか。 |
第17回全国高等学校版画選手権大会
予選結果/個人賞発表 2017年
第17回大会初戦審査の結果は以下のとおりです。
団体部門 選抜校は3月17日から新潟県佐渡市で開催する本戦大会への出場資格を得ました。
団体部門:本戦出場校
学校名 | 都道府県 | 出場回数 |
北海道札幌平岸高等学校 | 北海道 | 7 |
青森県立弘前実業高等学校 | 青森県 | 8 |
岩手県立盛岡第一高等学校 | 岩手県 | 7 |
盈進学園東野高等学校(出場辞退) | 埼玉県 | 5 |
埼玉県立熊谷西高等学校 | 埼玉県 | 4 |
埼玉県立熊谷女子高等学校 | 埼玉県 | 5 |
新潟県立佐渡高等学校 | 新潟県 | 4 |
新潟県立佐渡中等教育学校 | 新潟県 | 5 |
福井県立丹南高等学校 | 福井県 | 3 |
静岡県立伊東高等学校城ヶ崎分校 | 静岡県 | 11 |
東海大学付属静岡翔洋高等学校 | 静岡県 | 11 |
京都精華学園高等学校 | 京都府 | 初 |
広島市立沼田高等学校 | 広島県 | 3 |
佐賀県立神埼清明高等学校 | 佐賀県 | 2 |
岩手県立平舘高等学校(繰上出場) | 岩手県 | 2 |
賞名 | 学校名 | 氏名 | 学年 |
新潟日報社賞 | 広島市立沼田高等学校 | 橋本鈴 | 2年 |
NHK新潟放送局 | 広島市立沼田高等学校 | 大野芽依 | 1年 |
BSN新潟放送賞 | 岩手県立盛岡第一高等学校 | 遠藤仁美 | 1年 |
NST賞 | 静岡県立伊東高等学校城ヶ崎分校 | 大川紗英 | 2年 |
TeNYテレビ新潟賞 | 東海大学付属静岡翔洋高等学校 | 久保田かおり | 3年 |
UX新潟テレビ21賞 | 埼玉県立熊谷西高等学校 | 鵜飼美緒 | 2年 |
サドテレビ賞 | 早稲田大学系属早稲田実業学校 | 西尾実華 | 2年 |
ベストライフ賞 | 島根県立大田高等学校 | 安道紫音 | 2年 |
はんが甲子園 応募校の皆様・関係者の皆様
第17回全国高等学校版画選手権大会
初戦審査日程の変更について
初戦審査につきましては1月16日(月)、審査結果については1月17日(火)に発表を予定しておりましたが、この度の寒波の影響により審査日程を順延することになりました。
つきましては、審査結果については、審査終了後、早急に関係機関へ通知するとともにHPへ掲載し、応募各校へはFAXにてご連絡(発表)いたします。
皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。